ファッションデザイン GOAT徹底比較
本記事では、ハイブランド/オートクチュール/ストリートを横断して
「職業ファッションデザイナー」10名を選出。
①創造性・革新性 ②業界・市場への影響力 ③ブランド/作品の持続性 ④カルチャー浸透度 ⑤後続デザイナーへの影響
の5項目(各100点・合計500点)でスコアリングし、独断と偏見でGOAT(史上最高)を決めます。
ココ・シャネル(Coco Chanel) — 女性の服を「鎧」から解放した革命家
代表ブランド:CHANEL | 時代:1910年代〜1960年代
要約
ココ・シャネルは、コルセットで締め付けられていた女性服を捨てさせ、
ジャージー素材・パンツスタイル・リトルブラックドレス
といった「動けるエレガンス」を作ったデザイナーです。
服だけでなく、「香水(No.5)」「バッグ」「アクセサリー」まで含めた
トータル・ブランディングの元祖でもあります。
代表的な革新
- コルセットを捨てた、シンプルで動きやすいシルエット。
- リトルブラックドレス:黒を喪服ではなく日常のエレガンスに変換。
- 女性用パンツスタイルを普及させ、ジェンダー感覚をアップデート。
- 香水・ジュエリー・バッグを含めたラグジュアリーブランド戦略。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 97 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 99 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 98 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 94 / 100 |
| 後続への影響 | 98 / 100 |
| 総合 | 486 / 500 |
イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent) — 「モード=アート」を本気でやり切った天才
代表ブランド:Yves Saint Laurent | 時代:1960年代〜1990年代
要約
サンローランは、ディオールの後継者として頭角を現したのち、
自身のブランドで「タキシード(ル・スモーキング)」「サファリルック」「モンドリアン・ドレス」
など、モード史に残るアイコンを連発しました。
「女性にパンツスーツを」「アートをそのまま服にする」という発想で、
ファッションを完全に現代芸術の領域まで押し上げた存在です。
代表的な革新
- ル・スモーキング:女性用タキシードの提案。
- モンドリアン・ドレス:抽象絵画をそのまま服に落とし込む発想。
- サファリルック・サファリジャケットの定番化。
- 多様な民族衣装やカルチャーをモードに取り込む姿勢。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 99 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 96 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 94 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 94 / 100 |
| 後続への影響 | 99 / 100 |
| 総合 | 482 / 500 |
川久保玲(Rei Kawakubo) — 服の「かたち」そのものを疑ったデザイナー
代表ブランド:COMME des GARÇONS | 時代:1970年代〜現在
要約
川久保玲は、1980年代のパリコレで、
黒・穴・左右非対称・不定形シルエットといった、
それまでの美の基準から完全に外れた服を投下。
「ボロボロ」「ホームレスルック」と批判されながらも、
ファッションそのものの定義を更新し、現代モードの文法を変えました。
代表的な革新
- 「ボディコンシャス」からの離脱:体型を美しく見せるのではなく、形そのものを再定義。
- 黒一色・穴あきニット・歪んだパターンなど、アンチ・エレガンスの徹底。
- コラボレーション(H&M、ナイキなど)でアバンギャルドをマスにも浸透させた。
- 「洋服=工業製品」ではなく「コンセプト作品」として扱う姿勢。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 100 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 94 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 92 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 88 / 100 |
| 後続への影響 | 94 / 100 |
| 総合 | 478 / 500 |
クリスチャン・ディオール(Christian Dior) — 戦後女性を「ニュールック」で包み直した
代表ブランド:Dior | 時代:1940年代〜1950年代
要約
1947年、ディオールは「ニュールック」を発表。戦時中の質素な服から一変、
細いウエスト・ボリュームのあるスカートという超フェミニンなシルエットを提示しました。
戦後ヨーロッパの「贅沢復活」の象徴となり、オートクチュールの権威を一気に取り戻しました。
代表的な革新
- ニュールック:ウエストを絞り、豊かなスカートでボリュームを強調。
- オートクチュール・メゾンのビジネスモデルを戦後に再構築。
- 香水・アクセサリー展開など、トータルラグジュアリー路線を拡張。
- サンローランなど後進デザイナーの育成・発掘にも貢献。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 92 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 96 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 94 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 90 / 100 |
| 後続への影響 | 96 / 100 |
| 総合 | 468 / 500 |
三宅一生(Issey Miyake) — 「服=テクノロジー × 折り紙」にしてしまった人
代表ブランド:ISSEY MIYAKE | 時代:1970年代〜2010年代
要約
三宅一生は、東洋の感覚と最新テクノロジーを組み合わせ、
プリーツプリーズ、A-POCなど、
「布の作り方から服を再設計する」プロジェクトを行いました。
“楽に着られて、アートとしても成立する”というコンセプトは、いまの機能性ウェアにも直結しています。
代表的な革新
- Pleats Please:永久プリーツ加工で、洗濯してもシワが戻る日常着の革命。
- A-POC:一枚の筒状の布から、切り取って服を作るコンセプト。
- テクスチャー・素材開発に全振りしたコレクションづくり。
- スティーブ・ジョブズの黒タートルなど、ミニマルな制服的スタイルの浸透。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 98 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 90 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 92 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 88 / 100 |
| 後続への影響 | 96 / 100 |
| 総合 | 464 / 500 |
ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani) — スーツを「力むビジネス服」から「抜け感のある鎧」に変えた
代表ブランド:Giorgio Armani | 時代:1970年代〜現在
要約
アルマーニは、ビジネススーツから芯地を抜き、
肩の力が抜けたジャケットを提案することで、
1970〜80年代の男性像を一新しました。
映画『アメリカン・ジゴロ』やハリウッドとの結びつきで、ラグジュアリー=アルマーニのイメージを確立しました。
代表的な革新
- 構築的スーツから、ソフトで軽いテーラリングへの転換。
- ビジネスウェアとラグジュアリーの橋渡し役。
- 映画・レッドカーペットでのスタイリングを通じたブランド構築。
- GIORGIO / EMPORIO / EXCHANGE など階層化したブランド戦略。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 88 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 94 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 96 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 88 / 100 |
| 後続への影響 | 90 / 100 |
| 総合 | 456 / 500 |
ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada) — 「ダサい」と「知的」を掛け算したモードの魔術師
代表ブランド:PRADA、Miu Miu | 時代:1980年代〜現在
要約
ミウッチャ・プラダは、ナイロンバッグからスタートし、
「わざと野暮ったい」「知的でひねくれている」
という独特の美学をハイモードに持ち込んだデザイナーです。
90年代以降の「アグリーシック」「オタクっぽいのにお洒落」は、ほぼ彼女の功績と言っていいレベル。
代表的な革新
- ラグジュアリーブランドの主素材としてナイロンをメインに採用。
- 綺麗・セクシー一辺倒ではない、知性とズレを感じさせるスタイリング。
- Miu Miuを通じたY2K〜ガーリー路線への影響。
- アート・建築とのコラボやFondazione Pradaによる文化支援。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 94 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 92 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 94 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 84 / 100 |
| 後続への影響 | 88 / 100 |
| 総合 | 452 / 500 |
カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld) — 死にかけてた老舗を何度も蘇らせた「リブート職人」
代表ブランド:CHANEL、FENDI ほか | 時代:1960年代〜2010年代
要約
カール・ラガーフェルドは、シャネルやフェンディといった老舗ブランドを、
現代的にアップデートし直した“リブートのプロ”です。
シャネルではツイードスーツ・CCロゴ・キルティングバッグを武器にしつつ、
毎シーズン異常な物量のコレクションを供給し続け、ラグジュアリーの「ショー文化」を決定づけました。
代表的な功績
- 「古臭い」と言われ始めていたCHANELを、誰もが知るアイコンブランドに再生。
- 巨大なショー演出(スーパーマーケット、空港、ロケット発射台など)で話題を量産。
- ロゴ・モノグラム文化の再ブームに大きく貢献。
- 複数ブランドのクリエイティブディレクターを兼任する働き方の先駆。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 86 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 96 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 98 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 90 / 100 |
| 後続への影響 | 76 / 100 |
| 総合 | 446 / 500 |
アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen) — ランウェイを「演劇」に変えたダークロマンの鬼才
代表ブランド:Alexander McQueen | 時代:1990年代〜2010年代前半
要約
マックイーンは、完璧なテーラリング技術とダークで劇的なテーマを組み合わせ、
ショー=体験そのものに変えてしまったデザイナーです。
彼のランウェイは、ファッションショーというより“舞台公演”に近く、現代の「ファッショントレーラー文化」にもつながっています。
代表的な革新
- 歴史・ゴシック・スコットランド文化などをミックスしたドラマティックな世界観。
- テーラリングの超絶技巧と、破壊的ディテールの組み合わせ。
- ショー演出のレベルを引き上げ、「見に行く価値」の概念を更新。
- 多くのデザイナー・スタイリストの「世界観づくり」のお手本に。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 97 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 88 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 86 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 84 / 100 |
| 後続への影響 | 87 / 100 |
| 総合 | 442 / 500 |
ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh) — ストリートとラグジュアリーを完全にフラットにした
代表ブランド:Off-White、Louis Vuitton Men’s | 時代:2010年代〜2020年代前半
要約
ヴァージル・アブローは、カニエ・ウェストのクリエイティブチームからスタートし、
Off-Whiteとルイ・ヴィトン メンズのアーティスティック・ディレクターとして、
ストリート × ラグジュアリー × コラボカルチャーを加速させました。
「引用」「カギカッコ」「インダストリアルなストラップ」など、ミーム化しやすいデザインで
Z世代まで一気に浸透しました。
代表的な革新
- Nikeとのスニーカーデザイン(THE TEN)でコラボ時代の象徴に。
- 黒人デザイナーとしてLVMHのトップポジションに就任した歴史的意義。
- ストリートとラグジュアリーを完全に同じ土俵で扱う価値観を可視化。
- 「引用」やテキスト使いなど、グラフィック感覚を服に載せる手法の普及。
評価スコア
| 創造性・革新性 | 90 / 100 |
|---|---|
| 業界・市場への影響力 | 94 / 100 |
| ブランド/作品の持続性 | 82 / 100 |
| カルチャー浸透度 | 92 / 100 |
| 後続への影響 | 80 / 100 |
| 総合 | 438 / 500 |
500点満点 — ファッションデザイナー GOAT スコア一覧
※GOATチャンネル独自の主観スコア。「議論のタネ」として楽しむ前提。
| デザイナー | 創造性・革新性 (100) |
業界・市場への影響力 (100) |
ブランド/作品の持続性 (100) |
カルチャー浸透度 (100) |
後続への影響 (100) |
総合 (500) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ココ・シャネル | 97 | 99 | 98 | 94 | 98 | 486 |
| イヴ・サンローラン | 99 | 96 | 94 | 94 | 99 | 482 |
| 川久保玲 | 100 | 94 | 92 | 88 | 94 | 478 |
| クリスチャン・ディオール | 92 | 96 | 94 | 90 | 96 | 468 |
| 三宅一生 | 98 | 90 | 92 | 88 | 96 | 464 |
| ジョルジオ・アルマーニ | 88 | 94 | 96 | 88 | 90 | 456 |
| ミウッチャ・プラダ | 94 | 92 | 94 | 84 | 88 | 452 |
| カール・ラガーフェルド | 86 | 96 | 98 | 90 | 76 | 446 |
| アレキサンダー・マックイーン | 97 | 88 | 86 | 84 | 87 | 442 |
| ヴァージル・アブロー | 90 | 94 | 82 | 92 | 80 | 438 |
GOAT最終判定
500点満点の総合評価では、
🏆 ファッション GOAT(総合) — ココ・シャネル(486 / 500)
- ココ・シャネル:女性の服の価値観を根本から変え、ブランドビジネスのフォーマットまで作った総合力で1位。
- イヴ・サンローラン:服とアート、ジェンダー、カルチャーを一体化させたモードの天才として僅差の2位。
- 川久保玲:「そもそも服とは何か?」という定義そのものを更新した点で、概念的GOAT候補。
「〇〇が入ってないのはおかしい」「△△はもっと上だろ」などのツッコミ前提のランキングです。
コメント欄で自分なりのトップ10を書き直して遊ぶ用、と割り切ってください。
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