最終章 — GOAT総合判定（500点満点）

結論：現代ルール下での長期支配と実績の量・質から、総合首位はテディ・リネール。軽量〜中量の「完成度」では大野将平／野村忠宏が歴代トップクラス。女子では谷亮子／クラリス・アグベニューが“双璧”。

山下 泰裕（Yasuhiro Yamashita）無差別の象徴

1984ロサンゼルス五輪（無差別）金。長期連勝と“象徴性”で柔道の基準を作った存在。

注：連勝記録は資料により差異あり。ここでは歴史的長期無敗として扱う。

野村 忠宏（Tadahiro Nomura）五輪3連覇（60kg）

男子個人で前人未踏の五輪3連覇（1996/2000/2004）。軽量級のピーク維持と勝負勘が突出。

井上 康生（Kōsei Inoue）「全一本」の衝撃

2000シドニー五輪-100kgで全試合一本勝ち。内股・大内刈の美と破壊力。

谷 亮子（Ryoko Tani）女子48kgの絶対女王

世界選手権7度優勝・五輪複数メダル（2000/2004金）。女子柔道の象徴的存在。

テディ・リネール（Teddy Riner）現代重量級の王

世界選手権歴代最多級の優勝数、五輪での複数金。長期支配の象徴。

大野 将平（Shohei Ono）技術完成度の極

-73kgの“完成形”。圧倒的な組み手と決定力で近代男子最強クラスの内容。

阿部 一二三（Hifumi Abe）-66kgの求道者

兄妹同時金の快挙。反復可能な勝ち筋（組手→担ぎ技→抑え）を高精度で実行。

阿部 詩（Uta Abe）-52kgの新基準

兄妹同時金の歴史的瞬間を牽引。間合い管理と崩し→高難度の一本。

アントン・ヘーシンク（Anton Geesink）欧州からの金字塔

日本勢独壇場の時代に無差別を制覇。国際化の扉を開いた歴史的功労者。

クラリス・アグベニュー（Clarisse Agbegnenou）女子-63kgの帝王学

長期一線の王者。組み手・攻防の全体設計に隙がない。

ダビド・ドゥイエ（David Douillet）重量級のレジェンド

フランス重量級の先駆。後の欧州重量級台頭の礎を築く。

出典（主要）

1. IJF（国際柔道連盟）／Olympics 公式記録
2. 主要大会レポート・競技年鑑・各国連盟公開データ
3. 選手プロフィール（公的・準公的データベース）

※ 年度や通算の細部は資料差があるため、本稿は「傾向」と「比較指標の一貫性」を優先して編成。